東日本大震災から10年を迎える本日、ここで皆さまにメッセージをお伝えできることを光栄に思います。
私の国スイスを代表して、あの大惨事によって命を失った方々、また、影響を受けた方々に心からお見舞い申し上げます。そして、被災地全域にわたる目覚ましい復興への取り組みと、日本の驚くべき回復力に敬意を表します。さらに、最も重要なこととして、東北及び日本の皆さまと共に、明るい未来に目を向けたいと思います。
スイスは、東北地方と深い繋がりを持っています。福島市は、東京オリンピック・パラリンピックに向けたスイスのホストタウンとして、光栄なことに、コンサート、文化交流、学校訪問といった多岐にわたるスイス関連の催しを開催して下さっています。私たちスイス大使館は、非営利団体 Support Our Kidsとの協働により、被災地の学生にスイスでのホームステイ・プログラムを提供し、グローバルな展望を持つ若いリーダーの育成を支援しています。ルツェルン音楽祭、梶本音楽事務所及び建築家の磯崎新氏がプロデュースした可動式コンサート・ホール「アーク・ノヴァ」は、2013年から2015年にかけて、音楽と教育を通して、松島、福島、仙台の文化生活の活性化に貢献しました。また、医療センターから駅、新しい堤防、商店街に至るまで、女川町の素晴らしい復興へのご尽力にも敬意を表します。まだ進行中のこの計画で、スイスがささやかな役割を果たせたことを誇りに思います。
日本とスイスは、さらに持続可能で回復力のある社会の実現に向けた同様の取り組みを行っています。地震、津波、福島の原発事故から10年が経過したことに思いを馳せることは、私たちの目の前にある重要な課題について考える機会を得ることでもあります。その中には、国際協力の強化、有意義なイノベーション、責任ある起業家精神が求められる2030アジェンダをエネルギー部門も含めて実現するという課題も含まれます。
スイスは、東北地方との関係性を様々なレベルでさらに深化させ、よりクリーンで、健康的かつ環境に優しいテクノロジーを活用した未来に向けて、日本とのパートナーシップを継続していくことを楽しみにしています。個人的な話になりますが、今月で、私の日本での任務がスタートして半年となります。パンデミックの状況が許すようになれば、すぐにでも東北地方に伺い、地域を巡り、現地の皆さまやリーダーの方々にお目にかかるのを今からとても楽しみにしています。
美しい東北地方の全ての友人に称賛と尊敬を
駐日スイス大使 アンドレアス・バオム