同フォーラムには、政府関係者、研究資金提供機関、大学や企業が参加し、総会や分科会を通じて、科学技術分野の今日の課題や科学技術がより良い社会のためにどのように貢献できるかなどにつき、意見交換が行われました。
ノーベル医学生理学賞受賞者である、京都大学の山中伸弥教授は、講演で、新たな成功の定義が必要と述べました。オーダーメード医療や新薬開発が有効である反面、生み出された新薬が高額であるという問題点を挙げ、新療法は社会の多くの人々の手に届いてこそ、成功と呼べるのではないかと語りました。
人工知能とビッグデータに関しても、議論の大きなテーマとなりました。人工知能の分野では、今なお多くの基礎研究が必要となっています。今日、人工知能は相関関係を見つけ出すことはできますが、結論を信頼するのに重要となる因果関係を識別することは不得手です。ビッグデータの分野では、分科会の登壇者たちは、データの共有化はすべての人々に多くの利益をもたらすという点で意見が一致しました。しかし、データに経済的価値が生じた時点で、現実にはその逆の状況が生じてしまいます。データ品質や完全性の問題以外に、大きな障害となるのは、データの共有化が競合者間の相対的競争優位性を変化させてしまうことです。
スイス訪日団からは、Philip Morris International R&DのChief Scientific OfficerであるManuel Peitsch氏が環境と健康に関する分科会に、スピーカーとして登壇しました。
10月10日、ジャン=フランソワ・パロ大使は、訪日団を公邸での昼食会に招き、今回の来日がスイスにどのような効果をもたらすかについて話し合いました。