和平調停をめぐるスイスと日本の対話が深化

Local news, 11.05.2026

2026年5月11日から13日まで、スイス連邦外務省(FDFA)平和・人権局長のティム・エンダーリン大使が、マティアス・ジークフリード上級平和調停アドバイザーを伴い、日本を公式訪問しました。その目的は、国際的な和平調停能力の強化に向けた、スイスと日本の対話のさらなる深化です。 

2026年5月11日から13日まで、スイス連邦外務省(FDFA)平和・人権局長のティム・エンダーリン大使が、マティアス・ジークフリード上級平和調停アドバイザーを伴い、日本を公式訪問しました。その目的は、国際的な和平調停能力の強化に向けた、スイスと日本の対話のさらなる深化です。 
 

今回のハイレベルな訪日は、オマーンおよびトルコの代表団、さらには「人道対話センター(HD)」や「コンシリエーション・リソーシズ(CR)」といった専門機関とも協力して実施されました。これは、調停と対話を前進させる上で、国際的なパートナーシップや多様な主体の協力が極めて重要であることを反映しています。

 
笹川平和財団の招きを受け、エンダーリン氏は、新設された「和平調停センター」設立記念公開シンポジウムにて基調講演を行いました。スイスが長年にわたり携わってきた気密性の高い調停や対話の過程で得られた知見に基づき、エンダーリン氏は調停の枠組み作り、信頼醸成、そして複雑な紛争における中立的な主体の役割について、実践的な学びに主眼を置いて語りました。 
 
堀井巌外務副大臣との二国間会談では、外交政策における和平調停の役割の変化や、日本における本分野での新たな制度構築などが議題となりました。両者は、スイスの実践的な経験と日本の拡充する外交手段というそれぞれの強みを相互に活かす形で、どのように世界の紛争予防と解決を支援できるかという点で、両国のいっそう緊密な協力の可能性について意見を交わしました。 
 

また、エンダーリン氏は「日本の和平調停および女性・平和・安全保障に関する議員グループのメンバーとも交流しました。これは、調停活動を進めるためには、人々を包摂する手法と議会が主体性を持って取り組むことが重要性であるという共通認識があることを示すものです。

 

さらに、日本財団の笹川陽平名誉会長や笹川平和財団の角南篤理事長とも会談を行い、和平調停のエコシステムを支える民間団体や公益活動を担う機関の役割について議論を深めました。 
 
5月12日、エンダーリン氏は、ロジェ・ドゥバッハ駐日スイス大使主催のパネルディスカッションに登壇しました。スイス連邦工科大学チューリッヒ安全保障研究センターのダニエル・メックリ博士、人道対話センターのカティア・パパヤンニ博士という第一線の専門家と共に、笹川平和財団の堀場明子博士の進行のもと、スイスの和平調停の手法を検討しました。議論では、公平性や長期的な関与、そして人道支援と政治的対話の緊密な連携の重要性が強調されました。会場には、日本の国会議員、政府関係者、外交官、研究者、市民団体の代表など、多岐にわたる分野の方々が集いました。 
 
 

今回の訪日中、エンダーリン氏は、国際和平調停ユニット、人権人道課、および南部アジア部を含む、日本の外務省関係者と協議を行いました。これらの意見交換は、組織的な協力や知見の共有に向けた具体的な方策を探る機会となりました。 
 
スイスの和平調停への取り組みは、国際法、人権、そして多国間主義への広範かつ積極的な姿勢に根ざしています。国際機関が集結するジュネーブという環境にも支えられ、スイスは世界各地の対話と交渉を支える信頼ある基盤であり続けています。今回の訪日は、志を同じくするパートナーとの協力関係を深め、世界的な調停活動の実効性と正当性を高めようとするスイスの意欲を改めて示す機会となりました。