ルツェルン祝祭管弦楽団 来日4公演が盛況のうち終了

Local news, 06.10.2017

ルツェルン祝祭管弦楽団は、クラウディオ・アバドとともに来日して以来、11年ぶりにリッカルド・シャイーに率いられて再来日。東京、川崎、京都で4公演が開催されました。

© Lucerne festival

ルツェルン祝祭管弦楽団が、クラウディオ・アバドとともに来日して以来、実に11年ぶりに再来日を果たしました。これは、新音楽監督のリッカルド・シャイーに率いられての初の遠征ツアーであり、日本に続き、韓国と中国でも初めての公演が行われました。3か国で開催された公演の総動員数は8,800名を数えました。

ルツェルン祝祭管弦楽団は、交響曲のレパートリーに友情と室内楽的啓蒙主義精神を持ってアプローチする、世界一流の首席奏者が集うオーケストラです。欧州中から集結した117名の音楽家によって結成されています。同オーケストラの原型は、1938年、アルトゥーロ・トスカニーニが当時の著名演奏家たちを招集して、エリート・オーケストラとして行った伝説的なガラ・コンサートに遡ります。そして65年後、クラウディオ・アバドとルツェルン音楽祭芸術総監督のミヒャエル・ヘフリガーによりルツェルン祝祭管弦楽団として創設され、2003年8月に初公演が行われました。リッカルド・シャイーの就任で再びイタリア人の音楽監督を迎えることになりました。

日本では、10月6日、7日のサントリーホールでの公演を皮切りに、10月8日にはミューザ川崎シンフォニーホール、10月9日には京都コンサートホールにて公演が行われました。同公演では、ベートーヴェンの「エグモント」と「交響曲第8番」、そしてシャイーにとって重要なストラヴィンスキーの「春の祭典」から成るプログラムA、R. シュトラウスの3つの交響詩によるプログラムBの二つのプログラムが用意されました。

同公演は、今年、日本国内で開催されるスイス文化行事の中で重要なイベントであり、ジャン=フランソワ・パロ大使は、東京と京都の公演に参加しました。パロ大使主催の懇親会も数回開催され、高円宮妃殿下のご臨席をはじめ、近衞忠煇氏(日本赤十字社社長・日本スイス協会会長)を含む来賓の参加がありました。

同来日公演に先立ち、ルツェルン・フェスティバルが企画したアーク・ノヴァが、初めて東京ミッドタウンに設置され、9月19日から10月4日までの期間中、約16,500名が訪れました。アーク・ノヴァは、ミヒャエル・ヘフリガー氏、梶本眞秀氏(KAJIMOTO代表取締役社長)、アニッシュ・カプーア氏(デザイナー)と磯崎新氏(建築家)が考案し実現した移動式かつ空気注入式のコンサートホールです。2011年3月の東日本大震災後に東北地域の文化復興のために発案されたもので、東京の前は2013年に松島、2014年に仙台、2015年に福島で設置されました。今年は、10月初めに、ルツェルン祝祭管弦楽団のメンバーをはじめ、ルツェルン・フェスティバル・アカデミーの修了生によるミニコンサートが開催されました。