著名なスイス人声楽家エルンスト・ヘフリガーの偉業を祝うに、モーツァルト以上に相応しい作曲家がいるでしょうか。3月29日、ジャン=フランソワ・パロ駐日スイス大使公邸で催されたコンサートは、魔法に包まれた様でした。エルンスト・ヘフリガー没後10年記念コンサートは、彼の教え子達の発案と彼が長年教鞭をとった草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティバルの協力を得て、スイス大使公邸で開催され、日本・スイス両国が長年育んで来た文化的結びつきに、改めて光が当てられました。
マエストロ ヘフリガーは、1983年から2004年まで草津音楽アカデミーで客員教授を勤め、天羽明惠(ソプラノ)、岩見真佐子(ソプラノ)、日野妙果(メゾソプラノ)、望月哲也(テノール)、太田直樹(バリトン)他、大勢の著名な日本人音楽家を育てました。
教え子達によるコンサートは、大使公邸にて高円宮妃殿下のご臨席を賜り、パロ駐日スイス大使、日瑞両国の友好議員連盟や政府、文化機関、企業関係者の参加のもと、優雅に執り行われました。
マエストロ ヘフリガーのご子息であり、ルツェルン音楽祭の芸術監督兼総監督であるミヒャエル・ヘフリガー氏も、この為にはるばるスイスから来日しました。彼の父への思いがあふれるスピーチに加えて、パロ駐日大使の挨拶、前駐日スイス大使で、現日本スイス経済協議会代表の前田氏による乾杯スピーチ、そして言うまでもなく公邸で奏でられた美しい音楽は、日本とスイスの強固な友好関係を象徴するものでした。
なお、ルツェルン祝祭管弦楽団は、10月初旬にリッカルド・シャイー音楽監督とともに来日し、コンサートツアーを行う予定です。