「2022年7月26日、日本国政府は、加藤智大死刑囚に対して刑を執行した。これは、今年に入って初の、また現政権下で2度目の死刑執行である。
われわれは、死刑に反対する一貫した、確固たる、原則に基づく立場に沿って、いかなる状況においても極刑の使用に反対し、世界中で死刑廃止を積極的に追求し続ける。死刑は、世界人権宣言に謳われている不可侵である生命権を侵害するものであり、残酷で非人道的かつ屈辱的な刑の最たるものである。また死刑は、犯罪の抑止力として機能せず、誤審があった場合に取り返しがつかない。
それゆえ、駐日EU代表部および駐日EU加盟各国大使ならびにアイスランド、ノルウェー、スイスの各駐日大使は、日本当局に対し、2010年7月~2012年3月までの約20カ月間および2019年12月~2021年12月のおよそ2年間にわたり、日本で死刑が執行されなかったことを想起し、モラトリアム(執行停止)を導入するようあらためて求める。
さらに、志を同じくする日本内外の組織や個人と共に、刑事司法制度における死刑の位置づけの見直しを徹底的かつ早急に行うことを求め、また日本当局に対し、この問題について広く国民的な議論を促すよう呼びかける」