スイスの建国記念日である8月1日、アンドレアス・バオム駐日スイス大使、スイス連邦工科大学チューリヒ(ETHチューリヒ)のGramazio Kohler (グラマツィオ・コーラー) 研究室と東京大学のT_ADS 小渕祐介研究室をはじめとするプロジェクト関係者は、晴天のもと、「Kizuki-au 築き合う-Collaborative Constructions」の開幕を祝いました。
ETHチューリヒによる木造骨組みの3階建ての建物、そして東京大学による環境装置にもなる陶製の暖簾(のれん)は、この日集まった約70名の参加者の注目を集めました。式典では、アンドレアス・バオム駐日スイス大使、プロジェクトを率いるハネス・マイヤーと小渕祐介准教授によるスピーチの後、清水建設株式会社の印藤正裕氏およびパナソニックホールディングス株式会社の小川理子氏から、この協働建築プロジェクトへの思いと感謝が伝えられました。そしてダンサーであり振付家の小尻健太氏(1999年ローザンヌ国際バレエコンクール受賞)による、この日のために創作された感動的なパフォーマンス『Kizuki-au築き合う』により締めくくられました。夕方から日没後には光とミスト、そしてサウンドの相乗効果(演出:モンタージュ)により一層魅力を増した二つの建造物と会場で参加者は思い思いにプロジェクトを体験する豊かなひと時を過ごしました。
オープニングイベントに続き、8月5日にはダビッド・ブラウン在日スイス大使館公使の主催による関連トークイベントがスイス大使公邸にて開催されました。本トークイベントには、ETHチューリヒの卒業生をはじめ、グラマツィオ・コーラー研究室とT_ADS 小渕研究室との協働に光を当てた東京大学戦略的パートナーシップ大学プロジェクトを導く関村直人東京大学副学長を含む産学界の専門家達が出席。マイヤー氏と小渕准教授による発表に続き、メンドリージオのルガーノ大学(USI)卒業生のアンドレア・ポンピ氏の司会によるパネルディスカッションでは、両プロジェクトリーダー達と出席した40名の参加者とによる活発な質疑応答が交わされました。
在日スイス大使館、スイス連邦工科大学チューリヒ(ETHチューリヒ)と東京大学との建築・協働プロジェクト「Kizuki-au 築き合う-Collaborative Constructions」は、国際芸術祭「あいち2022」の連携企画事業のひとつとして、常滑市で開催されています。ETHチューリヒと東京大学というスイスと日本の最高峰の研究機関の専門知識と創造性が、グラマツィオ・コーラー研究室とT_ADS 小渕研究室による2つのインスタレーションという形で披露されています。
ETHチューリヒのグラマツィオ・コーラー研究室によるプロジェクトは、木造骨組みの3階建ての建物で、金属部品、ネジなどの金属部品使用しない、ロボット工学時代の大工仕事を再考し実現。東京大学 工学系研究科 建築学専攻 T_ADS 小渕祐介研究室によるプロジェクトは、木製の柱と陶製の暖簾のような環境装置で、梁に設置したミストノズルから陶器へ噴射した水分が気化する際に、蒸散冷却効果によって空気を冷却します。
本プロジェクトは、文化機関、学術機関、常滑市や市民のかたがた、企業スポンサーなど、多くのパートナーのおかげで実現しました。その貴重なご支援と多大なご貢献に心からお礼を申し上げます。特にBMW JapanブランドマネージャーのVroni Shiohara氏とIWCシャフハウゼンのマーケティング&コミュニケーション部長のDex Victor Van Hunen氏に感謝の意を表します。
また、本プロジェクトは、2025年大阪・関西万博へ向けたスイスの外交キャンペーン「Vitality.Swiss」のスタートを切るプロジェクトです。2022年9月22日に、「サステナビリティ」「健康」「イノベーション」をメインテーマとした本キャンペーンをローンチ予定です。詳細は、www.vitality.swissで随時発表してまいります。
会期: 7月30日 (土) — 10月10日 (月・祝) (11:00から19:00)
会場: 常滑やきもの散歩道 一 菁陶園近く (愛知県常滑市栄町7丁目地内)
詳細:Vitality.Swiss