スイス政府とパートナー団体による行動の呼びかけ「送金の危機:お金の動きを止めない方法」

Local news, 27.05.2020

コロナ危機の渦中にある移民労働者とその家族を支援するため、スイス連邦と英国政府が関連団体と連携して、行動の呼びかけを始めました。

スイス政府とパートナー団体による行動の呼びかけ 「送金の危機:お金の動きを止めない方法」
スイス政府とパートナー団体による行動の呼びかけ「送金の危機:お金の動きを止めない方法」 © 2020 The World Bank Group

新型コロナウイルス感染症によって引き起こされた現在の世界的な危機は、どの地域、年代、社会階層にも影響を与えています。中でも、人口動態上特に脆弱なのが移民労働者とその家族、そして離散民族です。彼らの多くが失業や雇用不安の増大によって収入を得られず、故国の家族を支えるために送金していたことによって生じる世界的な送金流通量も、2020年は約2割(約1,100億米ドル)という大幅な下落が見込まれています。これは送金に頼る家族や地域社会に困難を引き起こすのみならず、送金がGDPの1割以上を占めることもある多くの開発途上国や新興国にマクロ経済レベルで影響する可能性があり、ひいては「持続可能な開発のための2030アジェンダ」と「持続可能な開発目標」の進展に逆行する恐れがあります。

送金に頼らざるをえない人々が新型コロナウイルス感染症の流行によって被る影響を軽減するため、スイス、英国両政府は、国際連合資本開発基金(UNCDF)、移民と開発に関するグローバル・ナレッジ・パートナーシップ / 世界銀行(KNOMAD)、国際移住機関(IOM)、国際連合開発計画(UNDP)、国際送金ネットワーク協会(IAMTN)、国際商業会議所(ICC)と連携して、「送金の危機:お金の動きを止めない方法」と名付けた行動の呼びかけを開始し、あらゆる政府や利害関係者の協力を呼びかけています。2020年5月25日現在、エクアドル、エジプト、エルサルバドル、ジャマイカ、メキシコ、ナイジェリア、パキスタンの政府が既に支援を約束しています。

この件について、イグナツィオ・カシス外務大臣は、「送金は重要ですが、新型コロナウイルスのせいで難しくなっています。ここで新技術を役立てて、世界中で障壁を取り除こうではありませんか。」と語っています。スイスは長年に渡って移住や開発の分野に関与し、金融業にも精通していますので、人々が携帯電話などの新技術を利用して送金を行えるようなサービスに取り組んでいます。また、今回の呼びかけは、政策立案者、規制機関、送金サービス業者に対して、送金手続きを円滑にしたり、そうすることによって新型コロナウイルス危機から大きな影響を受けている人々の生活を少しでも楽にしたりするためのより明確な助言や指針を与えます。この呼びかけに関する詳細は、移民と開発に関するグローバル・ナレッジ・パートナーシップ / 世界銀行(KNOMAD)のウェブサイトをご覧ください。

Local news, 01.06.2020

食品衛生法の一部改正が本日施行しますが、国内のスイスチーズ愛好家がその舌に変化を感じることはないはず。

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more cowbell ©kylewagaman_CC BY-NC-SA 2.0

本日以降、乳及び乳製品を日本へ輸出するスイスの酪農事業者には、動物衛生を保証すると同時に食品衛生の保証も義務付けられます。輸出事業者は、スイス連邦食品安全獣医局(FSVO)と農林水産省との間で合意した、新しい衛生証明書を提出し、この新しい基準に応じることになります。この合意なしではスイスの輸出事業者は日本市場へのアクセスが閉ざされる可能性がありました。

2018年6月に国会で成立した15年ぶりとなる食品衛生法の改正を経緯とするこの施行。これまで当法案に関しては、食品事業者に対し、世界基準として扱われている衛生基準であるHACCPの導入及び、商品の自主回収を実施する際の都道府県への報告の義務化の必要性が幅広く報道されています。

スイスが衛生に関する新しい報告義務を導入するために、在日スイス大使館は、2019年7月から両国の関連当局の仲介を務めて参りました。新たな衛生証明書の文言での合意以降、FSVOはスイス国内の自治当局者に、関連商品の日本向け輸出を許可する際に、新しい衛生証明書を発行することを指示。既にスイスでは5月18日から導入開始しています。

連邦経済省経済事務局(SECO)の最新の統計によると、スイスは 2019年に3億4千万スイスフラン総額(約380億円)もの酪農食品を含めた農産物を日本へ輸出しています。