国連創設75周年 - 1945年以来、国際平和と繁栄を育む

Local news, 26.06.2020

2020年は、国際連合にとり、数々の祝事や、グローバルな対話への取り組みなどに彩られる大切な年です。スイスは、安全保障理事会の非常任理事国へ立候補を行っています。

国際連合ジュネーヴ事務局
国際連合ジュネーヴ事務局 Ⓒ在日スイス大使館

 

国連が創設75周年を迎える今年、世界は、社会・経済・政治的に多くの国際的な課題に直面しています。この混沌とした時代において、国際社会が結束し、どのようにしてすべての人にとってより良い未来を築くことができるかを話し合うことは特に重要です。

公衆に発言の機会を与え、私たちが直面する課題への優先事項及び解決策を不特定多数の人々と考えるために、国連は「UN75 2020 and Beyond」と呼ばれる史上最大のグローバル対話の取り組みを立ち上げました。目標は、できるだけ沢山の人々にアプローチをして、世界の最も差し迫った問題の解決方法を探すための交流を促進することです。集められた見解やアイデアは、オンラインプラットフォームで紹介され、20209月に開催される75周年の公式祝典時に世界の指導者たちに提示されます。

75年前の1945626日、国連憲章がサンフランシスコで調印されました。現在、約44千人が国連で働いています。国連という組織は多数の機関、特別プログラム、基金、その他の関連団体で構成され、その一部は今年、記念年を迎えます。一例として、国連難民高等弁務官事務所(設立70周年)、第4回世界女性会議<北京会議>25周年) 、武力紛争が女性と女児に及ぼす影響を理解し、その保護と和平プロセスへの全面的参加を保証するための制度的取り決めである国連安全保障理事会決議1325号(20周年)、国連女性機関(設立10周年)などが挙げられます。しかし、2020年はさらに重要なマイルストーンを含有する年です。持続可能な開発目標を達成するための「行動の10年」が始まり、気候変動、生物多様性、核不拡散、そして健康に関する重要な会議が数多く開催されます。

永世中立、多国間主義への取り組み、対話とコンセンサスの文化を有するスイスは、国際機関にとっての重要な機軸として貢献してきました。これらの価値観は、欧州本部という国連の2番目に大きな事務局、及びその他の国際機関や350以上の国際的非政府組織が拠点を置くジュネーブ市によって具現化されています。この広大なネットワークにより、国連の世界規模の活動の約3分の2がジュネーブで行われています。したがって、国連に2002年に加盟する以前より、スイスが国連と協力関係を築いてきたことは驚くべきことではありません。1948年の国連総会でオブザーバーの地位を付与された最初の国家として、スイスは、国連の専門機関や数多くの計画に関与し、特別ミッションに参加し、専門家を派遣してきました。一例としては、1953年より、スイス軍のメンバーが国連の命令により、南北朝鮮間の国境線の監視にあたっています。

2011年より、スイスは2023/2024年度の国連安全保障理事会における非常任理事国への立候補を行ってきました。国連が取り組む今日の課題や、平和・国際安全保障への取り組みにおいてより積極的な役割を果たすことを目指しています。人道的価値観と平和に専心する独立国としてのイメージ、調停及び斡旋の経験、すべての人との対話という信念から生まれたその信頼により、スイスは、人権及び国際人道法の確保に注力し、安全保障理事会の紛争の防止及び解決の能力の強化に励むこととなるでしょう。選挙は、193の加盟国の参加のもと、20226月にニューヨークで開催される国連総会にて開催される予定です。

複雑な地球規模の課題によって形作られる時代において、国連のような組織は、平和と繁栄のために重要な役割を担い続けます。強固で、結束した、より良い世界を構築すべく、国連と共に未来をつくっていくことを私たちは期待します。